女子高生と扇風機

病は気からって言うじゃないですか。

やっぱり思い込みのチカラってすごいと思うんですよね。

空想を現実にしかねないチカラを秘めてると思うんです。

今日は火曜日だよな?

 

また今年も夏がやってきたなと。

暑いし、蝉がうるさいし、蚊が飛び回ってるし、暑いし。

結局、毎年おんなじような愚痴垂れながら変わんねえ仕事をダラダラし続ける夏が今年もやってきたなあって嫌気が差してるわけなんですけど。

そんな変化のない景色に今年、ひとつ見覚えのないものが現れましてね。

時分が出勤で使う駅なんですけどね、近くに高校があって女子高生がけっこう利用するんですよ。

で、その女子高生たちに例年にない変化がありましてね。

なんかみんなちっさい扇風機持ってる。

 

ほんとみんな持ってるんですよ。

女子高生の集団がみんなちっさい扇風機顔に当てながら歩いてるんですよ。

まあ、異様です。

暑いんだろうなってことはわかるし、実際クソ暑いわけなんで扇風機でいいから欲しいって気持ちもわからんでもない。

でも、あれって涼しいのか?

 

あれってほんとに涼しいんですか?

クソ暑い中、クソ暑い風を自分に送って涼しいんですか?

しかもタケコプターみたいな小さい羽根で。

あれ昔持ってましたけどね、全然風来ませんでしたよ。

祭の屋台のハズレ景品でしたけど。

 

ハズレ景品よりは性能いいんでしょうけどそれでもどうなんだろうって考えてたんですよね。

で、一つの答えにたどり着いたわけです。

高校生特有の

持ってることに意味があるアイテムだろうと。

 

自分が学生のときに使いもしないのに扇子とか、必要以上にボトルガムカバンに入れてる奴とかいましたけどね。

たぶんそういう系統のものなんだろうと。

おそらく、今はちっさい扇風機が必須アイテムなんですね。

ちっさい扇風機を持ってないと

「は?ちっさい扇風機持ってないとか夏なめてない?」

って村八分にされるんです。

で、休み明けに机の上に花瓶に入ったちっさい扇風機が置かれてて

「お前の扇風機ねーから!」

ってイジメられるんですねえ。

だから、みんなちっさい扇風機を持ってるし

私持ってますよ、知ってますよ感を出しながらちっさい扇風機を顔に当てて歩くんです。

アピールですよあれは。

私はちっさい扇風機持ってるよ。

仲間だよ。

そういうことをアピールするわけです。

ちっさい扇風機に踊らされたピエロどもですよ。

 

でも、仕方ないんです。

ちっさい扇風機の流れが生まれてしまった以上、それに乗っかるしかないんですよ。

もはやちっさい扇風機が学校の中心ですからね。

カーストの王ですから。

ちっさい扇風機に逆らったらどうなるか。

風当たりが強くなります。